はじめに
カメラを持っている人ならだれでも聞いたことがあるであろう「焦点距離」という言葉。
言葉としては知っていても、その意味やどんな役割があるのかは知らない人が多いのではないでしょうか。
焦点距離は写真を撮るうえで、すべてのシーンで関わってくるものなので、知っておいて損はありません!
この記事を読んで分かること
- 焦点距離とは
- 焦点距離が小さい場合のメリット・デメリット
- 焦点距離が大きい場合のメリット・デメリット
- 焦点距離別のオススメ撮影シーン
それでは見ていきましょう!
焦点距離とは?
焦点距離をなんとなく「写真が写る範囲」だと勘違いしてはいないでしょうか?
実は、焦点距離は、被写体にピントが合った場合の、
「レンズ面の中心からカメラ内部のイメージセンサーまでの距離」
のことを言います。
50㎜・28~75㎜のように数字で表され、下の写真のように、この数字が大きいほど遠くのものが撮れるようになります。
※全て同じ場所から撮り、焦点距離のみ変えて(ズームして)います。
焦点距離はレンズによって決まります。
例えば上の画像手前のレンズは、SIGUMAの16㎜F1.4 DC DN というレンズです。焦点距離は16㎜のみとなります。
このレンズのように、焦点距離が一つに固定されたレンズを単焦点レンズといいます。
上の画像手前のレンズは、TAMRONの28-200㎜F2.8-5.6 Di Ⅲ RXD です。
このレンズは、焦点距離が28㎜から200㎜まで撮影者が自由に決めることができます。
このように、焦点距離を自由に変えられるレンズのことをズームレンズといいます。
焦点距離の大小による違い
では、この焦点距離の数字が変わることによってどのような違いがあるのでしょうか。
小さい場合
メリット
焦点距離が小さければ小さいほど、ズームしないため広い範囲を写すことができます。
先程の人形の写真を見れば分かりますが、広角に撮れるということですね!
また、手ブレしにくいという点も魅力のひとつです。
デメリット
焦点距離が小さい=広角(16㎜など)で撮ると、ゆがみが出やすくなります。
写真中心部分には出にくいのですが、四隅や周辺などに湾曲したようなゆがみが出ます。
また、半分メリットでもあるのですが、ボケにくいのも特徴です。
大きい場合
メリット
焦点距離が大きい場合は、ゆがみが出にくいです。
例えば、集合写真など大人数を被写体とする場合に、焦点距離を大きくすることで端っこの人もゆがみなく撮ることができます。
また、背景がボケやすいのも特徴です。
焦点距離が小さい場合より、より被写体を強調した写真を撮ることができます。
デメリット
焦点距離が大きくなればなるほど、被写体との距離が必要となります。
「焦点距離が大きい=遠くのものを大きく撮れる」ということなので、被写体を収めるにはある程度距離をとらなければなりません。
また、手ブレしやすい点もデメリットとなります。
焦点距離ごとのオススメシーン
焦点距離には、「広角域」「標準域」「望遠域」というものが存在します。
正確な定義は決まっていないのですが、人間の視野と同等といわれる50㎜を中心に約35~70㎜を標準域といいます。
そして、標準域より小さい範囲を広角域、大きい範囲を望遠域といいます。
この三つの領域からオススメシーンをご紹介します!
【広角域】
広角域は焦点距離が小さく広い範囲を撮ることができるので、星空などの風景写真や、室内などで被写体との距離が十分にとれないときにオススメの焦点距離になります。
広範囲を撮ることによって、雄大さを表現できます。
【標準域】
標準域は、人間の視野に近い画角のため、ポートレートやテーブルフォトなどに向いています。
余談ですが、標準域のレンズは描写力が優秀なものが多く、カメラ初心者の方には標準域のレンズが最初の一本としてオススメです。
【望遠域】
望遠域は、遠くの被写体を大きく写すことができるので、運動会や動物園などの被写体に近づきにくいシーンにオススメです。
ただ、望遠域は焦点距離が大きいので、三脚を使うなど手ブレには注意しましょう。
また、野鳥や飛行機などを撮る場合は300㎜や500㎜といった超望遠域で撮ることがあります。
まとめ
以上、カメラの焦点距離についてみてきました。
まとめると、
- 焦点距離とは、「レンズ面の中心からカメラ内部のイメージセンサーまでの距離」のこと
- 焦点距離が小さいと、広範囲を撮ることができ手ブレしにくい。
- 焦点距離が大きいと、ゆがみが出にくく、背景をボカしやすいため被写体を強調できる。
となります!
適切でない焦点距離で撮ってしまったがために、せっかくのシャッターチャンスを逃してしまった…
なんてことにならないように、焦点距離を理解して撮影に臨みましょう‼
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